花びら
©1996 青野りえ

音のない情熱の止まらない夜に
色のない夢を見た 踊らされたまま

狂おしい感情は花びらに似てて
指先にちらついて解けずにいるまま

声にならないのはもどかしいからでしょう
あたためた言葉は何処にも見えないのに

手に入れた分だけの爪痕が痛いから
見つかった永遠は色褪せ始めてる

愛のない歌なら聴きたくもないでしょう
眼に見えないものにやっと気がついてるの

狂おしいくらいじゃない
醒めた愛だけゆっくり解けてゆく

声にならないのはもどかしいからでしょう
あたためた言葉は何処にもみえないの

狂おしいくらいじゃない
冷めた身体にゆっくりこぼれてゆく