東京ツアー「ひとりぶらり旅」c/w リズマニング
2006年7月1日(土) 高円寺 ペンギンハウス
今年2回目の東京ツアーは、なんといしかわだけの「ひとりぶらり旅」。メンバーは諸事情により欠席。「たまにはこういうのもありだよね。ブラバの曲をやれば、それはブラバなんだしね」(いしかわ)。新幹線での移動のため、14時前に出発。集合時間の16時には現地入り。「いやー、東京、近いよね。お金かかるけど(笑)」(いしかわ)。
今回の競演は、5周年ライブにゲストとしてお迎えした「リズマニング」。いしかわの東京時代の先輩たちのバンドだ。「僕にとって、彼らの存在は、言ってみたら神様なんだよね。当時、本気でレコードみたいな演奏だ、と思って、それから僕は楽器を練習するようになったんだよ。この出会いがなかったら、今こうやって活動してないんじゃないかな」(いしかわ)と言うように、ブラバにとっても大きな影響を与えた人たちとの競演に、胸は踊る。緊張を隠せないいしかw・・・って、リハからビールを飲んでいる。「アサヒビールがさ、プライムタイムって出したじゃない?これ、飲んでみたかったんだよー。すっきりしてて飲みやすいね」(いしかわ)。結局いつもの調子である。
リズマニングの1stステージが終了したところでおもむろに登場するいしかわ。1stステージをめいっぱい堪能し、すっかり出来上がった様子で千鳥足である。しかし、いったん音が出始めた瞬間、空気が変わる。まずは「日焼け跡」から。「前回のガンブラで、ちょっと掴んだものがあってね。今回もそのテンションを出したくて、同じ曲にしてみたの」(いしかわ)。ひとりであることを制約と受け止めず、むしろ自由度を増していく演奏に引き込まれて行くオーディエンス。「そりゃあ、やっぱりバンドでやりたいし、バンドでないと表現できない部分はたくさんあるよ。だからこそ、すべてが削ぎ落とされた状態で、曲が作られたときの雰囲気や、原型の部分とか、そういうのが出せたらいいな、って思ったんだよね」(いしかわ)。続いて「ドライブ」のイントロがスタート。いつものガル師匠のギターソロが今にも聴こえてきそうである。いつもよりも少しだけ遅いテンポで、しかも少しハネたリズムが楽曲に大して新たな息吹を与えている。MCではメンバー紹介。「やっぱり、なんと言っても僕らはバンドだからね」(いしかわ)。まるで当たり前のようにメンバーを紹介していく。続いてバラード「夕暮れ」。いつもよりもしっとりと、ひとつひとつ丁寧に織り上げていく。ここでMC。いしかわの、リズマニングメンバーとの出会い話(編註:最近MCが長い)の後、ゲストとしてリズマニングのリーダーであり、ボーカリスト、ギタリストの佐藤淳を迎える。「佐藤さんはね、僕にとってはやっぱりずーっと神様なんだよね。ホントに衝撃だったんだよ。だから、ブラバの曲に対してどんなアプローチをしてくれるのか、すごく楽しみだったよ」(いしかわ)。まずは、「ぐうたら」からスタート。ブルージーなギターソロを繰り広げる佐藤淳。今まで聴いたことがない雰囲気に仕上がっている。もう1曲は「ないものねだり」。これもまた切れ味抜群のオブリガードとギターソロで彩る佐藤淳。そして、畳みかけるようなカッティングでぐいぐいと押し上げるいしかわ。突然のオーダー(編註:実際に共演する曲を決めたのはリハーサル時点で、佐藤さんにとってみるとほとんど初見での演奏だった)にも関わらず、長年の共演経験から阿吽の呼吸でびしっとキメた佐藤淳に、会場は怒濤のスタンディングオベーション。興奮冷めやらぬうちにいしかわが始めたイントロは「家族の風景」。切ない気持ちに遠くを見つめるオーディエンス(編註:イメージ)。最後は「太陽と悪魔」で締める。
ここから姉さん、事件です!CDの売れ行きが止まらない。次から次へとCDを手にするオーディエンス。「いやー、こんな経験ないよねえ。いつも、1枚か2枚、申し訳程度に売れるんだけど(笑)」(いしかわ)。おかげで今回持ってきたCDは完売!皆さん、どうもありがとうございます。
番外編では、リズマニングの2ndステージでいしかわが今度はゲストで登場し、Donny Hathawayバージョンの「What's Goin' On」を共演。「気持ちよく歌わせてもらったよー」(いしかわ)との言葉通り、最初から最後まで気持ちいいライブであった。
最後に、ここでも「常識」は守られた。「ブラバのライブは雨」。多分○まちゃんがどこかで演奏していたのだろう。(編註:勝手な決めつけ)。「少しだけ、実は期待してたりして(笑)。降らないと不安になるもんね」(いしかわ)。今年のブラバライブは全部雨が降っている。この連続記録もいつまで続くだろうか。イチローに負けるな、ブラバ!!
---セットリスト---
日焼け跡
ドライブ
夕暮れ
ぐうたら
ないものねだり
家族の風景
太陽と悪魔