c/w ギターパンダ
2006年8月20日(日) 浜松 エスケリータ68


夏休みも終わりが近づき、海にはくらげが繁殖、子供たちが「そろそろ宿題をやらないとなあ」と思い始める頃、あの伝説のアーティストが浜松に再来。そう、ギターパンダこと山川のりを氏である。ブラバとの競演はなんと2002年6月までさかのぼる。久しぶりの競演に心躍るメンバーたち。思えば現在のブラバが存在するのは、のりをさんのお陰である。2000年6月、「僕たち、普通の男の子に戻ります」と宣言して、華やかな(編註:Tシャツを作ったりしただけで、大して活動していない)活動に終止符を打ったブラバだが、2000年10月頃、ひとりの男の電話がいしかわのもとに。「いしかわさーん、今度山川のりをさんがポルカに来るんですけど、のりをさんってご存知ですか?」「もちろん、知ってるよー。おれ、清志郎&2.3'sの大ファンだったんだもん」。そう、ポルカッドとスリムのマスターで、現在はエスケリータ68を営む後藤さんからであった。「お、じゃあ、話が早いっすね。あのー、対バンやってもらえないですかねえ、あの、前にやってたブラックバスでー。どうっすか?」「あ、うん、やるやる」(編註:この時点でメンバーの誰にも確認していない。もちろん自分の予定も)。この歴史的な出来事から再結成したブラバは、その後も地道ながら精力的に(編註:だらだらと)活動を続けていくこととなったのである。もし、いしかわが2.3sファンでなかったら、そしてそのタイミングで後藤さんがいしかわに電話をしなかったら、今のブラバはないと言っても過言ではない。それほどのりをさんはブラバにとって大きな存在なのである。

そんな輝かしい歴史を背負いつつ(編註:本当は何にも考えてない)いつものように昼下がりにスタジオに集まったのはガル師匠といしかわの2人。そう、今回は「元祖ブラックバス」(略してガンブラ)での出演である。「懐かしいねえ」「ホントにねえ」「それより曲、何やろうねえ」「そうねえ」・・・とのんべんだらりな会話を繰り広げつつ、夏休みボケした体に喝を入れ、感覚を思い出そうとするガンブラ。相変わらずである。

リハを終えた2人はマクドナルドのドライブスルーを経由してエスケリータ入り。早速ハンバーガーをしばこうとしたところにのりをさんが相変わらずの笑顔で現れる。しばし再会を喜ぶいしかわとガル師匠。バタバタと食べ終え、さくさくとサウンドチェックを行い、昔話に花を咲かせつつ本番を待つ。

ここでいつもとは違う雰囲気に気がつくガンブラ。何かがおかしい。。。。そう、雨が降っていない。「いやー、いいことなんだけどね(笑)」(いしかわ)。「なんか期待してるんだよね、ちょっとだけ」(ガル師匠)。これで連続記録はまた振り出しに戻った。

さて本番、いつものように「Too late tonight」から始まり、ウォーミングアップ。いつもよりもjazz的にアプローチした「情熱」は空間を活かしたアレンジ。よりパーカッシブないしかわのバッキングに、よりJazzyなアプローチで絡むガル師匠のリードギターがアーシー。続いてしっとりと「夕暮れ」で熱く盛り上がり、少しハネたリズムで「ドライブ」が続く。「2人でやるときは、それこそバンドでしか表現できない部分が削られてしまうから、逆にいろいろ再構築していくことで、新たな世界が見えてくるんだよね。それはまたバンドアレンジにフィードバックされて、っていうのを繰り返して曲が育っていくっていうね」(いしかわ)。ここでMCをはさみ、至極のバラード「とぼけた顔」へ。「ないものねだり」はギターソロで転調し、緊張感を増す。「いろんな実験が、こういうときこそできる、っていうもんだよね」(ガル師匠)。さらに今まで聴いたことのないリフがスタート。「太陽と悪魔」だ。P-FUNK系のサウンドを彷彿させるファンキーなリフにいしかわの空間系コードが新鮮だ。「いつもは、僕がリズム出して、ガル師匠が雰囲気を作る、っていうのが2人でやるときの形だったんだけど、それを逆にしてみたのよね」(いしかわ)。すっかりお祭り騒ぎとなったところで最後は夏の定番「日焼け跡」。メンバー紹介のソロまわしでは、観客として席に居たDr.ASHにも白羽の矢が。「あれには参ったよ(笑)。いつも構えとかないと」(Dr.ASH)。「どんなときでもメンバーはメンバーだからね」(ガル師匠)「今度はさ、居ないメンバーには電話してソロまわしってどう?」(いしかわ)(編註:いい迷惑だ)。こうして、歴史的再会となったライブは幕を閉じた。怒濤の50分であった。

さて、これだけでは終わらない。ギターパンダの登場である。いつものパンダの着ぐるみで登場!
ギターパンダ

名曲をたたみかけつつ着ぐるみを脱ぐと、秋ファッションを先取りした姿に。なぜ?その謎はその後すぐに解けた。さらに服を脱ぐと、そこにはカルピス・プレスリーが(笑)。
カルピス・プレスリー

怒濤の衣装替えはまさにイリュージョン。アンコール2曲も含め、大興奮のライブであった。ありがとう、のりをさん!


---セットリスト---
Too late, tonight
情熱
夕暮れ
ドライブ
とぼけた顔
ないものねだり
太陽と悪魔
日焼け跡


戻る