〜ゆるゆるNight2003〜
c/w theつじどー


 約3ヶ月ぶりのライブは、ブラックバスの兄貴バンドと言っても過言ではない、首都圏の実力派バンド「theつじどー」を迎えて、その名も「ゆるゆるNight2003」という、なんともやる気のないタイトルの企画である。だいたい、「2003」などとつける時点で胡散臭さ満載である。

 ここのところ、ブラックバスのライブ=雨という方程式が成り立っていて、いわば定理や公式のようになっているが、この日も一寸違わず雨が降る。ちょっとー、どういうこと??ところがである。そんな大雨の中、バーベキューを河川敷でやってきた男が約1名いた。リーダーいしかわである。あげくワインを1本空けてきた、ということで鬼のような上機嫌。早くも周囲はテンションについていけない状態となる。誰か止めてくれー。

搬入を終え、theつじどーのリハを観ながらオリオンビールを開けるいしかわ岡本。気持ちよいサウンドを聴きながら、さらにご機嫌度アップ!!誰か止めてくれー。

そうこうしているうちにブラバのリハがスタート。なんだ、なんだ、さっきまでの酔っぱらいが嘘のような締まり具合だ(笑)。リハ120%本番30%の法則に従うのであろうか。気持ちよさそうに演奏するブラバ。おいおい、本番にとっておけー。

さて、本番である。おもむろにイントロを弾きはじめるいしかわ。「there is nothing, but here is something」でスタートだ。ロックな雰囲気満載のこの曲は、メンバーがアツくなっていく雰囲気が、他の曲に比べて120%増量である。岡本のギターソロがむせび泣き、服部あっしゅの空間を活かしたベースが包み込む。一気にブラバサウンドがライブハウスを席巻する。続けて「どうよ?」へ。「2曲めを大事にしているんだ。1曲めっていうのは派手にいきがちで、いいとこ見せよう、とかいろんな邪念が入ってくる。いわば建て前なんだ。建て前のあとには必ず本音が出るもんだよ」(いしかわ)と公言してはばからないブラバだが、最近の流れではこの「どうよ?」に落ち着いている様子だ。軽快なてっちゃんの8ビートが気持ちよい。それにメンバーみんな楽しそうだ。え、酔っぱらってるだけ?MCではいしかわがNHKばりの「最近思うんだけど、音楽やってて本当によかった論」を繰り広げる。まだ昼のワインが残っていてろれつがまわっていないのはさておき、次は業界に大人気の「ぐうたら」である。自分の姿をこの曲にダブらせて聴く人も多いであろう。今日は岡本ガル師匠もコーラス満載である。続けておもむろにイントロが始まったのは「心の声」ここ最近のブラバの方向性を示すこの曲を荘厳な雰囲気で歌い上げるいしかわ。さらに、後ろからこれでもかと言わんばかりのビートをたたき出すてっちゃんと服部あっしゅ。アツいギターソロとオブリガートで盛り上げる岡本。この一体感は何だ。涙なくしてこの曲を語ることはもはやできない。さらに続けて至極の名曲「台風」へ突入。キーがBフラットになったことでやさしい雰囲気の中に力強さを持つ曲へと生まれ変わった。「正月は帰ろうかな」というフレーズに、地元を想うオーディエンス。「これは実話ですか?」との問いに「いや、フィクション」と笑いながら語るいしかわも、実はもう2年も実家に帰っていない(笑)。そんな話はさておき、ここでMC。今日はいつもよりも饒舌ないしかわである。ワインの効果か?そうこうしているうちに「too late, tonight」へ。メンバー自身が盛り上がる度No.1のこの曲は、やはり岡本の泣きギターが炸裂する。これぞアコースティックR&Bの定番と言っても過言ではない。早く通信カラオケに入ることを望む声が聞こえる(空耳)。さらに、今回のクライマックスとして「太陽と悪魔の日焼け跡」に突入だ。GoGoの曲である「太陽と悪魔」を、てっちゃんお得意のセカンドラインに仕立て上げ、さらに「日焼け跡」と合体!という、ソウルフラワーユニオンでは1曲なんじゃないの?的アレンジが施されて登場である。これには多くのオーディエンスが痺れた。さらに定番となりつつあるメンバー紹介では服部あっしゅが魅せた!ソロに合わせて、スリラーを楽しそうに歌って美味しいとこを持って行こうとするいしかわを忘れさせるくらいに畳み掛ける。うーん、間違い無いね。さらにてっちゃんのゴキゲンなソロの後エンディングへ突入。息の続く限り続くサビのコーラスも、観客全員で大合唱だ(空耳。歌えるわけがない)。しかも、さらに続けてラストの「情熱」へ。「ライブでは、曲は続ければ続けるほどいいんだ。5曲続けてやったときは最高だったね」(女将)との言葉を受けて、盛り下げるMCはほどほどに、曲を畳み掛けるスタイルが定番となってきたブラバである。最後の「Wht's goin' on〜」の節も、もはや伝統芸能となりつつある。蓋を開けてみれば、ゆるゆるNightながら疾走感漂うライブであった。


セットリスト

there is nothing but here is something
どうよ?
ぐうたら
心の声
台風
too late, tonight
太陽と悪魔の日焼け跡
情熱



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