c/w 石田洋介


 さて、約2週間という怒涛のスパンでライブを入れたブラバだが、午前中服部あっしゅから「今から旅立つわ」というメールがリーダーいしかわの元へ届く。そう。彼は今日からマレーシアへ行くのである。ちなみにてっちゃんは他のライブがすでにブッキングされていたので、断念。不可抗力により「元祖ブラックバス」として岡本ガル師匠いしかわのブラバ創始者コンビでのライブとなった。対バンは実力派石田洋介バンドである。みんなプロばっかり(笑)。大丈夫か?ブラバ。

 ここで説明しておかねばならない。ブラックバスの創始者はいしかわ服部あっしゅではないのか?その疑問に答えるのは、このページだ。

 さて、そんな話題はともかく、たった2人で心細いのか、この日は昼からいたずらに練習をスタジオで行っていた。本番前からみっちりである。何だ、何だ、そのやる気は?普段からその調子でいけばもっといいのではないか?と思いきや、単純に切羽詰まっているだけだった(笑)。ベースとドラムに慣れて甘えきった2人に課された試練。果たして乗り越えるのであろうか?

 さて、満を持してポルカドットスリムに入るガンブラ(元祖ブラックバスの略称)。のんびりといしかわの家ですいかを食べていたことはさておき、早速呑みはじめる2人。でーたー。結局酒に逃げ、酒におぼれるのか。まったく情けない。。。だがしかし、石田洋介バンドの音出しが始まった瞬間からガンブラの目の色が変わる!ダイナミクスとリズムがくっきりと浮かび上がったサウンドに大喜び。あげく飲む飲む飲む。おいおい、キミたちも演奏するのだよ。しかも、今日は取材でカメラが1つ2つ3つ!!!身分不相応とはこのことだ。

 そうこうしているうちにガンブラのリハがスタート。ヘロヘロしそうな雰囲気から繰り出されるサウンドに、石田バンドの面々が微笑む。何か近いものを感じ取ったくさい。どこかで感じたことのあるメロディーや雰囲気。。。これはいったいなんだ??

 さて瞬く間に本番である。今日のガンブラは「原点に還る」がテーマ。簡単な挨拶の後に「家族の風景」からスタート。ハナレグミの「2002年を代表する超名曲」(いしかわ談)をブラバサウンドにアレンジ。早くもほんわかとした雰囲気が会場全体を包み込んでいる。この心地よい揺れは、酔いどれのガンブラがかもし出すものなのか、それとも、楽曲の持つチカラなのか(編注:当然後者に間違いない)。続けて「さよならの歌」へ。WestboundKathyの名曲が甦る。1stアルバム「ここぞとばかりに」に収録されたこの曲は、「彼女のように歌詞が書けたら死んでもいい」といしかわに言わしめた天才ボーカリスト青野りえが初めて書いたメロディをいしかわが膨らませたものである。原曲とはまた違った雰囲気で仕上がったこの曲を、どんな気持ちで聴くのだろうか。(編注:誰が?)ごあいさつの後、至極のバラード「とぼけた顔」へ。この曲はもともとガンブラでやっていたので、違和感なし(笑)。岡本ガル師匠のハイトーンなコーラスが切なく響く。いつ聴いても、いい曲はいい。そう思わせる時間である。さらに続けて「落下ドライブ」のイントロカッティングが始まる。benzoの名曲が少しばかりゆっくりなテンポで、これまた新たな息吹が吹き込まれる。なんということでしょう(ビフォーアフター調)。ここでも、ただならぬ反応を見せる石田バンドの面々。ここで核心に触れた。石田バンドの主なメンバーは、なんと、吉祥寺の曼荼羅系アーティストであった!何を隠そう、いしかわの在籍した「Westbound Kathy」は曼荼羅を中心に活動していたのである!世の中本当に狭い。音楽界、つながりまくりである。さて、ここで一呼吸置いてから(お酒を口に含んでから)、大人気の名曲「台風」へ。石田バンドでベースを弾くラリー小野田氏も大絶賛のこの曲に酔いしれるオーディエンス。一気にブラバモードONだ。この後、最近いしかわがプロデュースしている乙女系ユニット「加藤姉妹」に提供した曲「I.M.A」が始まる。スピードのようなダンス系ポップスが、なんということでしょう(ビフォーアフター調)、しっとりとしたブラバサウンドに仕上がっているではありませんか!オーディエンスとして聴きにきていた加藤姉妹本人たちも大喜びである。続けて「季節がわり」へ。コードアレンジを少しだけ変えたことで、より広がりのあるイメージへと変化を遂げたこの曲は、いつになっても古くならない普遍的な雰囲気を今も持ち続けている。岡本のバッキングもいつになく弾み、よりポップに、そして少しだけアツく支える。さらに畳み掛けるように「夕暮れ」がスタート。いつになく熱く燃える気持ちを抑えきれず、声を振り絞るいしかわ(編注:のみ過ぎだろう)。さらに「情熱」へクライマックス!!いつもより重いリズムでスタートしたこの曲が、ギターソロ抜けに一気に疾走していくアレンジに度肝を抜かれるオーディエンス。カメラがなめまわすようにガンブラを撮る。いやーん、ばかー。(編注:違うでしょ!)最後のWhat's Goin' On〜も今日はフルバージョンでお届け。あげく、前座にも関わらずアンコールの雨あられ!拍手の鳴り止まない会場に向かって、いしかわが弾き始めたイントロは「日焼け跡」だ!!8月度のFM Haro!ヘビーローテーションに選曲されたこの曲をアンコールに持ってくるあたり、うーんにくいね、ガンブラ。平歌ののちにやりと笑って倍テンポにするいしかわと、それを「しまったー、やられたー」という顔で苦笑いの岡本。しかし、畳み掛けるソロを繰り広げる岡本に、会場は大興奮である。最後の「いたーいひーーーーー」の大合唱も会場が割れんばかりの勢い!2人の実力を知らしめたライブとなった。

 しかし、ガンブラはしっかりとかみ締めていた。やはり服部あっしゅの愛情あふれるベースと、てっちゃんの温かいドラムなくしてブラバサウンドは成し得ない!多くのファンも物足りなさを感じたかもしれない。それでいいのだ。それでこそブラバがブラバであることの証明なのである。今日のこの日をガンブラはきっと一生忘れないだろう。ありがとう!

 さて、燃えて燃えて燃えカスになったガンブラに次なる試練である。インタビュー!Music@Sのトップページを飾るライブ映像として今日の映像がピックアップされ、さらにはインタビューもあるという。やはり身分不相応だ。しかし、そんなことは一向に気にせずしゃべり倒すいしかわと、酔っ払って悩ましい岡本を容赦なくカメラはなめまわす。いやーん、ばかー。(編注:だから違うの!)結局南極大冒険でいつもと変わりないガンブラだった。


セットリスト

家族の風景
さよならの歌
とぼけた顔
落下ドライブ
台風
I.M.A
季節がわり
夕暮れ
情熱
-アンコール-
日焼け跡



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