c/w 戸田和雅子


 東京渋谷でのライブを大成功しつつ、ガス欠>日本道路公団>JAFの黄金カードでますます上昇気流に乗るブラバだが、今回はいよいよ「声の魔術師」(編註:誰もそんなこと言ってない)戸田和雅子氏(通称:とだま)を迎えてのライブである。

 今回は、ライブ直前までマレーシアに居たDr.ASHが無事来日。凱旋帰国ライブである。とはいえ、いつものようにだらだらとビールをリハから飲みはj・・・あれ、居ない(笑)。そう、リーダーいしかわは会社員で仕事が19時までということで、リハなしでの本番に臨むという。大丈夫か?Dr.ASHてっちゃんガル師匠は緊張の面持ちd・・・してないじゃーん(笑)。ガル師匠に至っては、ビールいっぱい飲んでるじゃーん。結局いつもと同じでゆるゆるなブラバであった。

 さて、とだま氏の出番が迫るころ、万を持していしかわ登場。とだま氏とは学生時代の先輩後輩の間柄で(編註:最近知った)、久しぶりの再会を喜ぶ。直後に一言、「疲れた。ビール!」とほほ。そんな中とだま氏のステージを観ながらガンガンとペースをあげるブラバ(編註:飲みに来たのか?)だが、締めるところは締めて曲の繋がりなどを確認。おお、たまにはそういうこともあるのねー。しかし、もう満足げのメンバー一同。後は打ち上げだけだ。

会場には多くのファンがつめかけ、熱気ムンムン。早くも酸素を求めるオーディエンス。この熱が覚めやらぬうちにおもむろにブラバ登場。会場が暗転し、静かなギターのアルペジオが。荘厳な雰囲気で「心の声」で始まる。いつもよりもリラックスムードなのは、花の都大東京での経験を踏まえてホームグラウンドに帰ってきた安堵感からきたものか。続けて「どうよ?」へ。イントロでの「どうもー。ブラックバスです!」の挨拶は既に伝統芸能の域になりつつある。軽快なリズムを刻むてちゃん、しっかりと地に足ついたベースラインで支えるDr.ASH、その上で気持ちよくソロを奏でるガル師匠と笑顔で歌い続けるいしかわ。オーディエンスも一気にブラバモードONとなり、それぞれの思いを胸に口ずさむ。簡単な挨拶だが異常にテンションの高いいしかわ。とだま氏の歌を聴いたことで、大喜びだったのだろう。そのテンションから流れるように「there is nothing,but here is something」へ。ある意味最近のブラバ路線の王道となっているこの曲では、ステージ全体が燃えるような雰囲気に。ギターソロとボーカルが絡むエンディングでは、あまりのテンションに居ても立ってもいられないオーディエンスも(編註:単純にトイレへ。)さらに畳み掛けるブラバは、満を持して発表した新曲「ドライブ」へ。いままでのブラバには少ないアップテンポなナンバー。切ない歌詞が心をわし掴む。さらにヒートアップしたところで大人気の名曲「台風」に続く。もはや全国のラジオ放送でヘビーローテーションとなりつつある(編註:イメージ)この曲に、多くのオーディエンスは思わず涙を浮かべる。めったに実家に帰らないいしかわの切ない思いがさらに拍車をかける。なんとなんと、さらに続けてレゲエアレンジとなって登場の「気まぐれ」である。一気にジャマイカ色になるてっちゃんの血で演奏されたリズムで会場は横に揺れる。ガル師匠のワウの効いたソロが憎い。ここでMC。最近曲を続けることが多くなったからか、ビールを飲む暇もないいしかわ。やはり異常なテンションである。平日で休みでなかったので疲れているのか?それとも、とだま氏の歌で心をすっかり開いてしまい、収拾がつかなくなっているのか。次に演奏されたのは「業界人が選ぶカラオケに入れて貰いたい曲100選」にノミネートされている(編註:大嘘)「ぐうたら」。これぞブラバの人となりを示すこの曲の最後の歌詞のように、遠くに居るあの人に伝わっているのだろうか?(編註:だれ?)さて、遠くの人を思う間もなく畳み掛けたイントロは「日焼け跡」。恒例のソロまわしも、もはや伝統芸能と言っても過言ではないほどの様式美。さらに、その後に続くサビの大合唱もいつにも増して熱い。(編註:暑いの間違い)。そして最後の曲「情熱」へと続く。イントロでは次回のライブの紹介と感謝の気持ちを伝える。いつもよりも心持ちアップテンポに演奏され、ガル師匠のジャジーなソロが流麗に歌う。これぞバンドサウンドと言わんばかりの塊感。恒例のWhat's Going' Onエンディングも完全版でお届け。え、もう終わったの?と会場はブラバを抱きしめて離さない。アンコールの雨あられ!おもむろに(編註:拍手が始まってから約1分足らず)ブラバが再度登場。感謝の意を語りつつてっちゃんのニューオーリンズなリズムが会場を包み込む。自然に腰が動いてしまう。そう、これもアレンジが変わって登場の「太陽と悪魔」である。今までよりもさらに自由度を高くして、メンバーどうしのコミュニケーションが音となって表現されていく。演奏後、会場にはいつまでも拍手が鳴り止まなかった。

東京でのライブとセットリストがほとんど同じではあったが、着実にバンドとしての底力をつけ、少しずつ前進していく姿を、ゆるい彼らに見い出したライブであった。


セットリスト

心の声
どうよ?
there is nothing, but here is something
ドライブ
台風
気まぐれ
ぐうたら
too late, tonight
日焼け跡
情熱
-アンコール-
太陽と悪魔



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