c/w Risaco ブルース・バスターズ


ブラックバス4周年記念2Daysの初日は、ブラックバスのデビューを飾った本拠地ポルカドットスリム。思えば1999年の12月、自宅録音機材を大胆に持ち込んで、家と変わらぬだらだらしたパフォーマンスを繰り広げ、浜松音楽界に衝撃的なデビューをしたブラバ。メンバーもさぞかし感慨深いであろう。気合も入りまくりで準備を・・・してるかと思いきや、いしかわDr.ASHはスタジオ奇兵隊でだらだらと奥田民生のDVDを見ているではないか!

ASH「眠たくなってきたわ。天気もええし」
いしかわ「ほんまやあー、ライブ日和というよりは、ドライブ日和やなあ」
ASH「夜やったら天気関係ないやん」
2人「あははは。」

相変わらずであった。とほほ。

そんなことを言いつつも、17時にポルカ入り。岡本ガル師匠はいつものように酒臭い(笑)。今日の対バンは名古屋から「ブルース・バスターズ」(以下ブルバスと勝手に略)、東京から「Risaco」という豪華な布陣。ブルバスはストレートなブルースに始まり、R&Bの名曲をカバー。Risacoはオシャレなブラック系のPOPSをキメる。ブラバは大喜び。「もう帰ってもいいと思ったよ。もう何もいらないって思った。大満足だったね」(Dr.ASH)。やはりリハから飲んでしまうブラバであった。

「びっくりしたよ。夢のようだった。世の中狭いんだなあって思ったね。」(いしかわ)とコメントのとおり、大きな再会があった。Risacoはご存じtheつじどーのメンバーであるラリー小野田氏あきづきかおる氏が参加しているのだが、このバンドでドラムをたたいている鈴木タケオ氏、実はいしかわと10年ほど前に新宿で話をしていたのだった。しかも浜松で出会うなんて、これはもう運命??そんな喜びを噛み締めつつリハを行い本番を待つ。

久しぶりの1番めで登場したブラバ。1曲めはなんと名曲「台風」だ。「ある意味挑戦というか、ばくちというか。曲順についてはいつも悩むんだけど、今回ほど悩んだことはないよ。この曲が持ってる意味が、あまりに大きくなってるっていうんなら、本来は終わりの方に持ってくるんだけど、逆に、そんな既成概念にとらわれることなくてもいいんじゃないか、ってみんなで話したんだ」(いしかわ)。いきなりの展開にあっけにとられるオーディエンス。しかし、ジェットコースターに一緒に乗ると、相手に恋愛感情が生まれるのと同じように、スリルとサスペンスに満ち溢れた展開の先には、深い感動の嵐が訪れる。続いて「there is nothing, but here is something」のイントロがたたみかける。「神が降りてくるんだよね。背中に炎が見えるようなんだよ」(ガル師匠)と言うように、アツいギターソロが唸る。うーん、マンダム。さらに、3拍子へと変貌を遂げた「the day afternoon」へと続く。「3拍子は世界を制するんだよね。例えば4ビートのグルーブだって、単純に4つ刻んでるんじゃなくて、3進法でどんどん進んでるんだ。だんだんと3拍の3つめでバンドがグルーブし始めたときには、もう何もいらないって気分だよ」(てっちゃん)。ここで短いMCが入る。4周年2Daysの紹介、今までの3曲を簡単に紹介して「では、後5曲、続けて聴いていただいてお別れです」の言葉に会場全体が笑いの渦に。「そんなに面白いかなあ・・・。至って普通の話さ。例えばアイドルの連中なんて、8曲とか9曲続けて演奏するんだよ。それに比べたら5曲続けるなんて、そんな大したことじゃない」(いしかわ)(編注:20曲やるステージなら当然普通だが、8曲のセットで5曲続くのは不自然!)。MCあけは満を持して新曲「Good Night」を披露。久しぶりに青野りえとの共作であるこの曲は、至極優しい雰囲気。「今までのブラバにはない雰囲気だね。デモを聞かせてもらったときは涙が出たよ」(Dr.ASH)。「青野とは結構連絡をとってたんだけど、お互い知らない間に成長してたんだろうね。何か、全然昔のままの気持ちだったんだけど。そんな雰囲気が歌詞にも現れてるよね」(いしかわ)と、メンバーも気に入っているナンバーとなった。さらに続いて、勢いのある「ドライブ」へ。アップテンポなリズムに乗っていしかわの歌が切なく響き、Dr.ASHのベースとてっちゃんのリズムが重なり合ってうねる。ガル師匠のJazzエッセンス溢れるギターソロもたまらない。会場もそれに合わせてヒートアップしていく。失神者も多数(編注:イメージ)。ここで予定外のMC。「はあはあ・・・・・。やっぱりしんどいので続けるのはやめます。」会場はふたたび笑いの渦へ。しかし、気を取り直してレゲエの名曲「気まぐれ」だ。「ボブ・マーレィが降りてくるんだよね。でも、最後は何故かスティングが降りてくるんだよ。って、スティングは生きてるけどね(笑)」(いしかわ)とコメントしているように、新たなアレンジが加わり、絶えず曲が成長している。「"方丈記"の一節でさ、"川はいつも流れていて止まることを知らず、常にかたちを変えていつまでも存在している"みたいなことを言ってるよね。要はそういうことだ」(いしかわ)(編注:謎)。常に変わり続けるブラバ。しかし、その奥には1本筋の通った統一感があるのは、この古典的思想からであろうか。ラストナンバーは、「太陽と悪魔の日焼け跡」。ガル師匠のギターソロで転調>日焼け跡へというドラマチックな流れ(編注:無理やりつなげただけじゃーん)で、会場は一気にクライマックスへ。おなじみ速いテンポからのソロ合戦ではDr.ASHの天を打ち抜くようなチョッパーソロが炸裂!「いやー、参ったよ。本当は封印しておきたかったんだけどさ、ちょっと気を抜くとすぐ出ちまうんだ。おれはR&Bベーシストとして認知されてると思うんだけどさ、それは氷山の一角なんだ。そういうバックグラウンドがあるからこそ、シンプルな歌い方にも重みが出てくるんだよね」(Dr.ASH)。最後は会場一丸となっての大合唱で終了。次回冬至ライブへの布石として、また新たな一面を見せたブラバであった。


セットリスト
台風
there is nothing, but here is something
the day afternoon
Good Night
ドライブ
気まぐれ
太陽と悪魔の日焼け跡


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